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第7回水戸短編映像祭
2003年9月13,14,15日
会場:水戸芸術館ACM劇場




日本に暮らしていて箭内道彦の作品を目にしない日は少ない。その仕事ぶりは他を圧倒し、もはやこの日本の社会は箭内道彦の仕事無しでは機能しないのではないかと錯覚することさえある。箭内道彦に世界が操作される、そんな未来が来るのは遠くないのかも知れない。そんな将来に対して私達はあまりにも無防備なのではないか?「箭内道彦を知ること」それが私達の21世紀の第一歩なのである。



「暮らしの中のヤナイミチヒコ」
暮らしの中に息づくCM。箭内道彦のCM作品上映を中心に繰り広げる。箭内道彦って誰。

上映作品:箭内道彦CM作品集+スライドショー
ゲスト:箭内道彦・伊藤洋介(東京プリン)・平間至(写真家)
 

「風とロックとヤナイミチヒコ」
音楽関係の作品も多い箭内道彦。そんな箭内道彦の音楽的な側面をクローズアップしたプログラム。

上映作品:箭内道彦/是枝裕和映像作品+α
 ゲスト:
箭内道彦・是枝裕和(映画監督)

「広告の明日とヤナイミチヒコ」
広告はどこに進んでいくのか、そして箭内道彦は。今、最も旬な男・佐藤可士和とのトークにより、広告の明日を探る。

上映作品:箭内道彦映像作品+スライドショー
 ゲスト:
箭内道彦・佐藤可士和(アートディレクター)
聞き手:篠崎日向子(ブレーン編集部)



箭内道彦/クリエイティブディレクター

64年福島県郡山市出身。博報堂第二制作局勤務。90年卒業後デザイナーとして博報堂に入社。96年CMプランナーに転向。クリエイティブディレクター、CMプランナー、アートディレクター、コピーライター、プロデューサー、ディレクターのすべてを同時に兼務するひとり広告代理店・ひとり博報堂として行動する。主な仕事として、タワーレコードNO MUSIC,NO LIFEキャンペーン、ソニーミュージックオーディションドキュメンタリー、フジテレビジョン(FNS全局)2002キャンペーン、森永製菓ハイチュウ・チョコボールTVCF、音楽関係はラルクアンシエル、JUDY AND MARY、MEAN MACHINE、DREAMS COME TRUEなど。03年4月に博報堂を退社し、風とロック設立。閉塞する広告業界の中で、旧来の広告手法・既製概念を不必要なまでに疑い破壊し続ける異色のクリエイティブディレクターである。



伊藤洋介/東京プリン

63年生まれ。大学時代からの友人である杉村太郎氏と二人で結成したシャインズでデビュー。現在は東京プリンとして活動。以後、伊藤本来のマルチな才能を生かし、TV、ラジオ等のレギュラーや、雑誌の連載などの多方面に渡って活躍。素顔は、慶応出身の元山一証券マン。今は森永製菓宣伝マン。森永のCMの殆どを彼が手がけ、伊藤本人がそのナレーションをしているのもある。また最近では執筆活動にも力を入れ、連載なども始めている。

平間至/写真家

63年宮城県塩竃市出身。日本大学芸術学部写真家を卒業後、ニューヨークに渡り作品制作をする。帰国後、カメラマン伊島薫氏のアシスタントを経て90年独立。以後、ROCKIN' ON JAPAN、CUTなど、エディトリアルの写真を出発点に、広告やCDジャケット写真を中心に幅広く活動。93年発個展「STILL MOVIES」を発表。95年の個展「MOTOR DRIVE」は、同タイトルの初の写真集も刊行され、大ヒットを記録する。最近の仕事としては、タワーレコード「NO MUSIC,NO LIFE」シリーズ、サッポロ黒ラベルやROCKIN' ON JAPAN等の雑誌、安室奈美恵、布袋寅泰等のCDジャケットを手掛けるなど、今最も撮られたい写真家としての評価が高い。

是枝裕和/映画監督

62年東京生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒業後、テレビマンユニオンに参加。主にドキュメンタリー番組を演出、現在に至る。95年、初監督した映画『幻の光』が第52回ヴェネツィア国際映画祭で金のオゼッラ賞等を受賞。98年2作目の『ワンダフルライフ』は、フランスのナント三大陸映画祭でグランプリを受賞するなど各国で高い評価を受け、世界30ヶ国、全米200館での公開と、日本のインディペンデント映画としては異例のヒットとなった。3作目の『ディスタンス』は、01年カンヌ映画祭コンペティション部門に出品。現在、新作『誰も知らない』を製作中(04年公開予定)。

佐藤可士和/クリエイティブディレクター・アートディレクター

65年東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。株式会社博報堂を経て2000年独立。同年5月「サムライ」設立。スマップ、ホンダステップワゴン、キリンチビレモン、キリン極生、生黒、TBC、パルコ、ワールドOZOC、資生堂ラ・ボーテ「TOKYO 02-03」(パリ)、TSUTAYA TOKYO ROPPONGI等、商品開発から店舗、空間、広告キャンペーンまで幅広く手掛ける。東京ADCグランプリ、朝日広告賞、亀倉雄策賞、JAGDA2000新人賞、東京TDC金賞、日本パッケージ大賞金賞、ほか多数受賞。


ここ数年ショートフィルムが花盛りである。あらゆるジャンルのクリエイターがこのショートフィルムを作り出し、あらゆる映像シーンを浸食している。果たしてショートフィルムとは一体何なのか、何故それほどまでに作り出されるのか?短編映画に未来はあるのか?


「〜MONSTER FILMS特集〜」
ここにひとつの映像プロダクションがあるその名は、モンスターフィルムス。CM制作をコアにして、ショートフィルムやその他の映像コンテンツの世界を自由に行き来しながらプランニングとプロデュースの新しい形を目指す。彼等が現在のショートフィルムを牽引している一つの集団だということは疑う余地がない。今回はモンスターフィルムスの最新作3作を上映し、ショートフィルムの現状を探る。

上映作品:「MILD BUNCH」・「ミツワ」・「TRUNK」
 ゲスト:サノ☆ユタカ(CMクリエイター)、吉田大八(CMクリエイター)、青山真治(映画監督)

MILD BUNCH
監督:サノ☆ユタカ
出演:今井雅之、石田純一、東幹久、山本太郎 ほか
ポップでファッショナブルに小気味よく展開されていく4本のショートフィルム『MILD BUNCH』。刑事ドラマには欠かせない “特殊任務”“爆弾処理”“人質救出”“張り込み”をテーマに、それぞれの作品が描かれていく。刑事役には、今井雅之、石田純一、東幹久、山本太郎など、個性派が揃い、真面目にキュートな刑事を絶妙に演じている。刑事ドラマの新風としてコミカルな物語に仕上がり、ポップでファンキーな衣装など、ディテールにまでこだわったお洒落な映像も見逃せない。「オリジナリティ」に溢れ、全篇に不思議なエネルギーで描かれた究極の4篇。“笑撃のラストシーン”をお楽しみに。
ミツワ
監督:吉田大八
出演:樋口可南子、市川実日子、板尾創路、中村獅童 ほか
深夜の街はずれの十字路。3つの方向から3台の車が猛スピードで走ってくる。運転していたのは、涙をうかべてハンドルを握る由美、パンツ一丁で興奮する正一、怯えた顔の清子。
同時に突っ込んできた3台は、見事にクラッシュ!気絶する3人。いや、正確に言うと、3人はある同じ言葉を口にして気を失った。はたして一体彼らに何が起こったのか?
実は、3人には車を猛スピードで飛ばす理由があり、今回のクラッシュに至るまでの悲劇(喜劇?)の物語が存在するのだ…
TRUNK
監督:青山真治 撮影:田村正毅
出演:夏川結衣、杉本哲太、YUSUKE、吉野紗香、岩松了 ほか


サノ☆ユタカ/CMディレクター
66年東京都出身。91年慶應義塾大学経済学部を卒業し、株式会社ライトパブリシティ入社、97年退社。98年ダブルシックプロダクション設立する。主なCM作品に、キューピー「キューピーハーフ」、キリンビバレッジ「アミノサプリ」富士急ハイランド「FUJIYAMA」カネボウ「SALA」などがある。
吉田大八/CMディレクター

63年生まれ。87年に早稲田大学第一文学部を卒業し、(株)TYOに入社し、企画演出部所属。最近の主な作品に、大塚製薬・ファイブミニ「欽ちゃん走り」、旭化成「ラップ&ジップキャンペーン 蒲焼 発掘」、KDDI・auパシャパ2「鏑木」、ツムラ・ソフレ「しっとりさんとつるつるちゃん」などがある。
青山真治/映画監督
64年福岡県北九州市出身。立教大学文学部英米文学科を卒業後、95年にオリジナルビデオ『教科書にないッ!』を初監督。96年に映画デビュー作と『Helpless』が、多くの国際映画祭に出品。その後も作品を立て続けに発表。00年、『EUREKA』は、第53回カンヌ映画祭コンペティション部門に出品、「国際批評家連盟賞」と「エキュメニック賞」をW受賞。最新作『月の砂漠』は2年連続でカンヌ映画祭へ正式招待される快挙となった。以後も、精力的な活動は続いている。

「SF Short Films」
中野裕之プロデュースによる短編映画集。安藤政信、ピエール瀧といった俳優、ミュージシャンが監督する作品と中野監督のステレオフューチャーで助監督をつとめた芹沢康久が初監督する。
上映作品:SF Short Films

「Return」
監督:中野裕之監督作品 出演 麻生久美子、村上淳、桃生亜希子 ほか
主人公、空子が都会から田舎の実家に帰るお話。ある日、空子はバイト先の上司に呼び出され バイトを突然クビになる。いろいろあって千葉の田舎に帰ることにしたのだが。

「県道スター」県道スター
監督:ピエール瀧 出演:安藤政信、ゲッツ板谷、大竹奈緒子 ほか
千葉の何も起こらないど田舎のヤンキー弁天さんはUFOを探知する能力を持ち、バイクでの追跡に明け暮れている。それを原付で追いかけるヤワなヤンキーのゴロー。ロープウェイのマドンナなどの組み合せを音と映像の編集によって音楽のように作って行く。バカおかしいコメデイアクション作品。

「ハナとオジサン」ハナとオジサン
監督:芹澤康久 出演:ピエール瀧、hanae*、優恵
超美少女のハナちゃんと父親らしき男のホノボノした心あたたまる短編。千葉の美しい海岸や夕焼けなども見逃せない。

「アダージェット」
監督:安藤政信 出演:麻生久美子
幸せだった頃の天使のような妻との思い出の映像マジックがクラシックの名曲とともにセレナーデを奏でる美しい映像作品。特に花火のシーンが美しい。

「仲良きことは良き事かな」
監督:中野裕之 出演:シテイボーイズ(大竹まこと、きたろう、斎木しげる) ほか
3人のおじさんの友情をオモシロおかしく描く短編となる。大学時代からの知り合いである3人はかつて、同じ会社に勤めていた。リストラされたサラリーマンたちのホノボノした話。

「Slow is Beautiful」
監督:中野裕之 出演:麻生久美子、村上淳、桃生亜希子 ほか
のんびりと田舎の時間を過ごす空子と親友のアッコとの自然な会話の他に急に時間がスローになる特異体質のお話。日本を代表する若手映画女優の麻生久美子の魅力がさくれつする作品。麻生によるキュートな劇中歌と美しい映像もみどころ。

「ライフ・イズ・ジャーニー」
田辺誠一は俳優であると同時に映像作家でもある。監督デビューとなった前作『DOG-FOOD』はベルリン国際映画祭で正式上映され高い評価を得た。それから4年、待望されて久しい「映画監督・田辺誠一」の新作『ライフ・イズ・ジャーニー』が完成した。俳優そして映画監督、私たちが見ている田辺誠一は誰なのだろう。
企画から脚本・編集・監督、そして出演の一部まで田辺誠一が担当した本作は『LIFE』『ん』『ヤ』『No Where』という4本の独立したショートフィルムから構成される。一貫したテーマは、「人生は長い陸路の旅」。登場人物たちは、それぞれに孤独を抱えながら、他者とのコミニューケーションを求めている。一人では生きられない彼らは、もうひとりの私たちの姿でもある。偶然のような出会いと別れを積み重ねて、人は誰もが喜びと悲しみに彩られた日常を過ごしていく。それでも、昨日と同じ今日はない・・・。

上映作品:「ライフ・イズ・ジャーニー」
●「LIFE」出演:大塚寧々、小林賢太郎(ラーメンズ)ほか
●「ん」出演:近藤公園(大人計画)、市川実日子 ほか
●「ヤ」出演:つぐみ、市川実日子 ほか
●「No Where」出演:hitomi、田辺誠一 ほか



今まで数々のクリエイターや映像を取りあげてきた本映像祭、しかしアニメーションに関して言えばほとんど皆無。しかしここ近年優れたアニメーション作品が多く作り出され、今やアニメーションはジャンルを越えて多様な表現や市民権を獲得したと行っても過言ではないだろう。その中でも独自の作家性を発揮し、優れた作品を発表する2人の作家の作品を上映し現在のアニメーションの状況を探る。
「特集・山村浩二」
“喜び”“不安”“孤独”“喜び”“愛すること”“夢で見た風景”・・・。
そして、日常の些細な出来事の中に、世界を認識するということ。日本人監督として史上初めて米国アカデミー賞短編アニメーション部門ノミネートに輝いたアニメーション作家山村浩二の世界。

ありとらゆるアニメーション技法を駆使する「ひゃっかずかん」、中村一義のPV「ジュビリー」、妄想的なSF的世界を描き出した「地球肋骨男」など一挙上映! バス停の忘れられた古い本を開くとページからバベルの塔が生えてくるし、雨の日のカロとピヨブプトのケンカは、どんどんイメージを膨らめる。頭に生えて来た桜の樹のまわりで、お花見の宴会を開かれる男の話…。日常の些細な事柄の中にある“喜び”“不安”“孤独”“喜び”“愛すること”。“アニメーションは世界を認識するための装置だ”という山村浩二のアナザーサイド。第75回米国アカデミー賞短編アニメーション部門ノミネート作品『頭山』を含むアニメーション作家、山村浩二作品を一挙上映!!

「頭山」
(2002/10分/35mm/Dolby デジタル)
製作:ヤマムラアニメーション 語り、三味線:国本武春 演出、アニメーション、美術、編集:山村浩二 脚本:米村正二 音楽:国本武春、シジジーズ サウンドデザイン:笠松広司
ケチな男がサクランボの種を食べたために、頭に桜が生えて、トラブルに巻き込まれる。落語「あたま山」を現代、東京に舞台を移し、アニメーションで新解釈を試みた作品。
第75回米国アカデミー賞短編アニメーション部門ノミネート、平成14年度文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門・優秀賞、オランダ・アニメーション映画祭 審査員特別賞受賞作品

ヤマムラアニメーション図鑑VOL.2上映作品
「水棲」(1987/5分/16mm)
「ひゃっかずかん」(1989/12分/16mm)
「地球肋骨男」(1998/1分39秒/VTR)
「ジュビリー」(1999/5分35秒/VTR)
「Vibe-ID」1999/2分30秒/VTR
「バベルの本」(1996/5分/VTR, 16mm)
「伝説のワニ ジェイク」(2001/3分17秒/VTR )
「金魚の一生」(1993/18分 /35mm)
「カロとピヨブプト-おうち」(1993/4分20秒/35mm)
「水棲」(1987/5分/16mm)
「遠近法の箱」(1990/4分/35mm)
「カロとピヨブプト-おうち」(1993/4分20秒/35mm)
「カロとピヨブプト-サンドイッチ」(1993/4分20秒/35mm)
「カロとピヨブプト-あめのひ」(1993/4分20秒/35mm)
「キップリングJr.」(1995/14分/35mm)
「キッズキャッスル」(1995/5分/35mm)
「どっちにする?」(1999/10分/VTR,35mm/Dolby SR)
「頭山」(2002/10分/35mm/Dolby デジタル)

「伝説のワニ ジェイク」


「カロとピヨブプト」

「特集・村田朋泰」
村田朋泰は若い作家である、そして今もっとも気になる作家でもある。Mr.ChildrenのPV『HERO』を制作したことでも有名な彼だが、それは単なる序章でしかないだろう。今後彼は、何処に向かっていくのだろう。上映を通して作品に対するこだわり、村田朋泰本人のこれからについて語る。

上映作品:「睡蓮の人」「朱の路」「独り言」ほか
ゲスト:村田朋泰
村田朋泰/映像作家

1974年 東京生まれ
2000年 東京芸術大学 美術学部 デザイン科 卒業
2002年 東京芸術大学大学院 伝達造形第1研究室 終了
主な賞歴に、
「睡蓮の人」
東京芸術大学美術学部デザイン科卒業制作デザイン賞(00年)、
BBCCネットアート&映像フェスタ2000映像部門入選(00年)、
第2回ラピュタアニメーションフェスティバル2001観客賞ヒューマン賞(01年)、
第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞(01年)、
PFFアワード2002審査員特別賞(02年)
「朱の路」
森アートミュージアム企画 Young video Artists initiative 佳作(02年)、
第9回広島国際アニメーションフェスティバル優秀賞(02年)、
第2回国際アニメーションフェスティバルアニフェス2003トレボン入選(03年)、
アヌシ−2003国際アニメーションフェスティバル推薦作品上映(03年)、
第11回国際アニメーションフェスティバルアニマムンディ2003ブラジル入選(03年)、
第52回メルボルン国際映画祭国際短編映画部門入選(03年)
http://www.tomoyasu.net