Fプログラム『ルノワール』

〈記憶を巡る物語〉

10月25日(土) 11:00~

 1,500円

不完全な大人たちの孤独や痛みに触れる、11歳のひと夏。
うれしい、楽しい、寂しい、怖い。 そして、“哀しい”を知り、少女は大人になる。
第75回カンヌ国際映画祭、ある視点部門カメラドール特別賞を受賞した『PLAN 75』の早川千絵監督 最新作。

映画 ルノワール

2025年/日本 フランス シンガポール フィリピン インドネシア カタール/122分/ヨーロピアンビスタ/5.1ch/英題:RENOIR
監督・脚本:早川千絵
出演:鈴木唯 石田ひかり 中島歩 河合優実 坂東龍汰 リリー・フランキー Hana Hope 高梨琴乃 西原亜希 谷川昭一朗 宮下今日子 中村恩恵

 私たちが世界の美しさと残酷さに気づいたのは、いつの頃だったろう──。
 前作『PLAN 75』では、高齢化社会が深刻化した近い将来の日本を舞台に、75歳以上の国民に生死の選択を迫る衝撃的な物語を描き、同年のカンヌ国際映画祭ある視点部門カメラドール特別賞を受賞、アカデミー賞日本代表としても選出されるなど、新たな才能として世界中の注目を集めた早川千絵監督。
 最新作で綴られるのは、11歳の少女が、不完全な大人の世界を覗きながら、人々の心の痛みに触れていくまでを繊細な筆致で描いた、あるひと夏の物語。
 死への好奇心と生きることのどうしようもない寂しさ。誰かの温もりを求める気持ち。少女の小さな体に宿る、はちきれんばかりの感情に誰もが心を掻き立てられる、2025年を代表する生涯忘れられない一本。

〈あらすじ〉
 日本がバブル経済絶頂期にあった、1980年代のある夏。11歳のフキは、両親と3人で郊外に暮らしている。ときには大人たちを戸惑わせるほどの豊かな感受性をもつ彼女は、得意の想像力を膨らませながら、自由気ままな夏休みを過ごしていた。ときどき垣間見る大人の世界は複雑な事情が絡み合い、どこか滑稽で刺激的。だが、闘病中の父と、仕事に追われる母の間にはいつしか大きな溝が生まれ、フキの日常も否応なしに揺らいでいく――。

【スタッフ・コメント】
 主演の鈴木唯さんは、笠間出身の髙田恭輔監督作品『ふれる』(2023)で映画初出演&初主演を果たし、その姿を観て早川千絵監督がこの作品に抜擢されたそうです。国内外で高い評価と共感を呼んだ当作を、鈴木唯さんと早川監督と共に、慈しむように鑑賞し、語り合い、味わってみてください!

ゲスト
俳優 鈴木唯

鈴木唯[俳優]
2013年生まれ、埼玉県出身。『ふれる』(2024・髙田恭輔監督)で映画初出演にして初主演し、期待の演技派俳優として注目されている。主な出演作は『ここで吸っちゃダメ!』(2024・短編・山口景伍監督)、『3月11 日』(2024・遠藤百華監督)、『少年と犬』(2025・瀬々敬久監督)がある。

映画監督 早川千絵

早川千絵[映画監督]
短編『ナイアガラ』が2014年第67回カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門入選、ぴあフィルムフェスティバル グランプリ受賞。2018年、是枝裕和監督総合監修のオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一編の監督・脚本を手がける。その短編から物語を再構築した初の長編映画『PLAN 75』(2022)で、第75回カンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督)特別賞を受賞し、輝かしい才能が世界から注目されている。

映画 ルノワール
映画 ルノワール
映画 ルノワール
映画 ルノワール
映画 ルノワール
映画 ルノワール
映画 ルノワール

2025年08月04日 | Posted in 第40回水戸映画祭[2025] | | Comments Closed