Cプログラム『悪は存在しない』

10月5日(土)15:15~17:30

1,500円

これは、君の話になる──観る者誰もが無関係でいられない、心を揺さぶる物語
『ドライブ・マイ・カー』から3年、濱口竜介(監督)✕ 石橋英子(企画・音楽)の新たな試みに世界が騒然。

映画 悪は存在しない 場面写真

2023年/日本/106分/ヨーロピアン・ビスタ/カラー
監督・脚本:濱口竜介
音楽:石橋英子
撮影:北川喜雄
出演:大美賀均 西川玲 小坂竜士 渋谷采郁 菊池葉月 三浦博之 鳥井雄人 山村崇子 長尾卓磨 宮田佳典 田村泰二郎

長野県、水挽町(みずびきちょう)。自然が豊かな高原に位置し、東京からも近く、移住者は増加傾向でごく緩やかに発展している。代々そこで暮らす巧(大美賀均)とその娘・花(西川玲)の暮らしは、水を汲み、薪を割るような、自然に囲まれた慎ましいものだ。しかしある日、彼らの住む近くにグランピング場を作る計画が持ち上がる。コロナ禍のあおりを受けた芸能事務所が政府からの補助金を得て計画したものだったが、森の環境や町の水源を汚しかねないずさんな計画に町内は動揺し、その余波は巧たちの生活にも及んでいく。

 きっかけは、音楽家・石橋から濱口への映像制作のオファーだった。『ドライブ・マイ・カー』(2021)で意気投合したふたりは試行錯誤のやりとりをかさね、濱口は「従来の制作手法でまずはひとつの映画を完成させ、そこから依頼されたライブパフォーマンス用映像を生み出す」ことを決断。そうして石橋のライブ用サイレント映像『GIFT』と共に誕生したのが、長編映画『悪は存在しない』である。自由に、まるでセッションのように作られた本作。濱口が「初めての経験だった」と語る映画と音楽の旅は、やがて本人たちの想像をも超えた景色へとたどり着いた。
 第80回ヴェネチア国際映画祭では銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞、濱口に世界3大映画祭制覇の快挙をもたらしたのち、各国での上映や映画祭へと広がり、世界中から絶賛の声が止まない。
 主演に、当初はスタッフとして参加していた大美賀均を抜擢。新人ながら鮮烈な印象を残す西川玲、物語のキーパーソンとして重要な役割を果たす人物に小坂竜士と渋谷采郁らが脇を固める。
 穏やかな世界から息をのむクライマックスまでの没入感。途方もない余韻に包まれ、観る者誰もが無関係でいられなくなる魔法のような傑作が誕生した。

第80回ヴェネチア国際映画祭 銀獅⼦賞(審査員グランプリ)/ 国際批評家連盟賞
第67回 BFIロンドン映画祭 最優秀作品賞
第16回 アジア太平洋映画賞 審査員特別賞
第15回 ウランバートル国際映画祭 観客賞
第28回 ケーララ国際映画祭 最優秀作品賞

【スタッフ・コメント】
2013年公開の『不気味なものの肌に触れる』では、水戸市内各所、那珂川沿いなどで撮影をした濱口竜介監督。その後の目覚ましい活躍は、みなさんもご存じのとおり。いつかまた“世界の濱口”となられた監督を水戸にお招きするとして、今回は主演の大美賀均さんと、物語のキーパーソンとなる人物を演じた小坂竜士さんが来場されます。もとは濱口組制作部から俳優として参加することになったという共通点を持つお二人。制作部と俳優の違い、撮影の裏話など、様々な視点からお話をうかがいます。

ゲスト
俳優 映画監督 大美賀均

大美賀均[俳優・映画監督]
1988年生まれ。桑沢デザイン研究所卒。助監督として『日日是好日』(2018年、大森立嗣監督)、『ムーンライト・シャドゥ』(2021年、エドモンド・ヨウ監督)等に参加。濱口竜介監督『偶然と想像』(2021年)では制作を担当。2023年、自身の初監督中編『義父養父』が公開された。

俳優 小坂竜士

小坂竜士[俳優]
1985年生まれ、山口県出身。2012年に上京し、俳優活動を開始。映画、ドラマ、舞台と幅広く出演。近年は活動を休止していたが、今作の出演を機に再開。過去の出演作は『HIGH&LOW』(2016年)、『獄の棘』(2017年)など。

映画 悪は存在しない 場面写真
映画 悪は存在しない 場面写真
映画 悪は存在しない 場面写真
映画 悪は存在しない 場面写真


2024年07月07日 | Posted in 第39回水戸映画祭[2024] | | Comments Closed