『幻の光』日本映画が好き2025

〈令和7年度 優秀映画鑑賞推進事業〉

10月26日(日) 11:00~

 500円

能登の雄大な自然を背景に、ひとりの女性の喪失と再生を描く。

映画 幻の光

1995年/日本/110分
監督:是枝裕和
原作:宮本輝『幻の光』(新潮文庫刊)
脚本:荻田芳久
撮影:中堀正夫
出演:江角マキコ 浅野忠信 大杉漣 木内みどり 柄本明 内藤剛志 ほか

 芥川賞作家・宮本輝の同名小説を原作とし、是枝裕和監督の長編映画デビュー作ともなった映画『幻の光』(1995)。石川県輪島市を舞台に「生と死」「喪失と再生」というテーマを、陰影深い映像に昇華させ、ヴェネチア国際映画祭で金のオゼッラ賞(撮影に対して)を受賞。国内でも連日満席となる話題作となった。

 公開から29年後の2024年元日。能登半島地震で輪島市は甚大な被害を受ける。合津直枝プロデューサーは「当時、新人たちの映画づくりは暗礁に乗り上げていて、輪島市の協力がなければ、映画は完成していなかった」と振り返る。「今こそ映画を通して輪島市に恩返しを」とリバイバル上映も企画された。

〈あらすじ〉
祖母が、そして夫が突然死へと旅立った。愛する人を次々と失った記憶と引きとめることができなかった悔恨を胸に秘め、ゆみ子は奥能登に嫁ぎ、新しい家族に囲まれて平穏な日々を送るが──。

令和7年度 優秀映画鑑賞推進事業 日本映画が好き2025
主催者:優秀映画鑑賞事業実行委員会/国立映画アーカイブ
特別協力:文化庁 一般社団法人日本映画製作者連盟 全国興行生活衛生同業組合連合会 松竹株式会社 東宝株式会社 東映株式会社 株式会社KADOKAWA

NFAJ 国立映画アーカイブ

【スタッフ・コメント】
 これまで1950年代~60年代の、いわゆるクラシック名作などを中心に上映してきた「日本映画が好き」が復活します。今年お届けするのは『万引き家族』(1995)でカンヌ映画祭最高賞(パルム・ドール)を受賞し、昨年は同映画祭の審査委員を務め、世界的にも著名となった是枝裕和監督のデビュー作です。
 当時、是枝監督は、映画監督への夢を抱きながらもテレビ番組制作会社テレビマンユニオンに就職し、様々な現場で怒鳴られたりする日々を過ごしていたそうです。そして、フジテレビのドキュメンタリー番組『NONFIX』が評価され始めた頃、まだ同社の社員として映画監督デビューを果たします。そして第52回ヴェネチア映画祭で金のオゼッラ賞(撮影賞として)を始め、国内外で高い評価を得ました。主演の江角マキコさんにとってもデビュー作であり、数多くの新人賞を受賞しています。
 能登地震災害への支援と、当時の撮影協力への感謝を込めてリバイバル上映がされたように、能登の景色と人々の思いが詰まった作品を35mmフィルム上映でお届けします!


2025年08月04日 | Posted in 日本映画が好き, 第40回水戸映画祭[2025] | | Comments Closed