Gプログラム『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』
〈世界への扉〉
10月25日(土) 14:00~
1,500円
それでも僕たちは この現実を変えたい
破壊される故郷を撮影し続けるパレスチナ人青年と、彼を支えるイスラエル人青年
敵同士だったはずの2人の“命がけの友情”が生んだ奇跡のドキュメンタリー

2024年/ノルウェー パレスチナ/アラビア語 ヘブライ語 英語/5.1ch/95分/原題:NO OTHER LAND
監督:バーセル・アドラー ユヴァル・アブラハーム ハムダーン・バラール ラヘル・ショール
日本語字幕:額賀深雪
イスラエルによる破壊と占領が今まさに進行している、ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区〈マサーフェル・ヤッタ〉。この現状をカメラに収め世界に発信することで故郷の村を守ろうとするパレスチナ人青年バーセル・アドラーと、彼に協力しようとその地にやってきたイスラエル人青年ユヴァル・アブラハームによる決死の活動を、2023年10月までに渡って記録。住民たちが目の前で家を壊され強制的に追放される不条理な現実を、緊迫の映像であぶりだす。
しかし惨状の中でも、同じ年齢の青年2人が共に過ごし対話を重ねることで、政治的背景や立場を越えた“命がけの友情”が生まれる奇跡的な瞬間を、本作はエモーショナルに映し出していく。自由のために強大な力に立ち向かい、支え合う彼らの姿は、「どうしたら人は分かり合えるのか?」という問いへの一筋の希望を私たちに与えてくれるに違いない。
監督は彼らを含むパレスチナ・イスラエル両国の若き映像作家兼活動家の4人。「イスラエル人とパレスチナ人が、抑圧する側とされる側ではなく、本当の平等の中で生きる道を問いかけたい」という強い意志のもと製作された。ベルリン映画祭では最優秀ドキュメンタリー賞と観客賞をw受賞し、観客によるパレスチナ連帯の大合唱や監督の受賞スピーチが話題となる一方、イスラエル擁護の立場を取るベルリン市長などがそれを強く非難。今なお世界中で大きな論争が続くなか監督たちは精力的に活動を続けている。
各国の映画祭で絶賛を集めすでに30の賞を獲得し、第97回アカデミー賞[長編ドキュメンタリー賞]受賞。
Ⓒ2024 ANTIPODE FILMS. YABAYAY MEDIA
【スタッフ・コメント】
上映作品の検討段階で、多くのスタッフが今年はこの作品を届けたいと考えた1本です。
トークには、パレスチナの人々の暮らしを撮り続けてきた写真家の高橋美香さんをお招きします。複雑な政治や宗教への理解も大切ですが、まずは、遠い中東の見知らぬ土地でも、人々は夢を追い、家族や友人たちと喜怒哀楽を共にし、命を紡いでいるという当たり前の事実を、来場されるみなさんと共有し、作品の理解を深めたいと思います。
映画はもちろん、パレスチナを知り、見知らぬ世界への理解を深められるプログラムとなることでしょう!

![写真家 高橋美香 ジェニン難民キャンプの居候先の家族[お母さんのマハと四男のサリーム]と共に](https://mitotanpen.jp/wp-content/uploads/2025/08/2025Guest_Takahashi.png)
高橋美香[写真家]
広島県府中市生まれ。世界の国々を歩き、その地に生きる人びとの「いとなみ」をテーマに撮影、作品を発表。著作に『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』(第29回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞)、『パレスチナのちいさないとなみ――働いている、生きている』(パレスチナ・オリーブ代表・皆川万葉さんとの共著、以上、かもがわ出版)、『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(以上、未來社)などがある。
11月に新刊絵本『シロくんとパレスチナの猫』(かもがわ出版)を刊行予定。
X(Twitter)https://x.com/mikairvmest
(プロフィール写真は、ジェニン難民キャンプの居候先の家族[お母さんのマハと四男のサリーム]と共に)
