Photo Gallery F Program: LIVE | 第32回 水戸映画祭
『PARKS パークス』~LIVE~
開催日時:2017年9月18日
リハとライヴの合間に水戸芸術館広場=みとげいの「PARK」でくつろぐ3人。
Alfred Beach Sandalによる「水戸映画祭にお越しの皆様こんにちは!」という挨拶から始まったFプログラム『PARKS パークス』上映+ライブ!!!
スクリーンの中から飛び出した3人(Alfred Beach Sandal、井手健介、谷口雄)が最初に披露してくれたのは、やはり、この映画の柱ともいえる劇中歌『PARK MUSIC』でした。映画の中では、石橋静河さんや橋本愛さんといった美女たちによって彩られたシンプルなナンバー。水戸映画祭バージョンでは、シンプルだからこそ、ビーサン、井手さんの歌のうまさがより一層際立ちます。この導入で映画の復習も済み、ライブの世界に一気に引き込まれたことだとおもいます。
続いて、ビーサン『Swallow』(谷口さんのピアノの右手、つまり高音が、まるで、蝶がほんとにそこにいるかのようにひらひらと空中を舞っています)、井手さん『青い山賊』(←サビにかかるビーサンのコーラスが新鮮!)と、それぞれの人気曲を初っ端から大盤振る舞いしたあとは、映画の中の役回りについて、しばし、おもしろトークが繰り広げられました。井手さん=ギター役、スナフキンみたいなかっこう。谷口さん=キーボード役、ピアノの先生。ビーサン=スタジオの客、めっちゃ絡まってんじゃんというセリフ有り。ビーサンは、初めてみたとき、オレ、出てなかったよね? と、思ってしまったとか(ミュージシャンをしているが、テレビなどで自分の姿を見るのが嫌いで、脳が勝手に遮断してしまったのかもという仮説を立てていました)。自分は、出てなかったけれども、映画の現場が初めてだったので、とても、満たされたとのこと。うんうん、そうですね、映画の現場は、まさに、やってみないとちょっと分からない特別な世界。たったワンシーンの撮影ために1日かかることもあるくらいですし、1本の映画は、大勢の方の力の結集の賜物なんですよね。
続いて、ギルバート・オサリバンのというより、知らない人はいないもはやスタンダードともいえる名曲『アローンアゲイン』を井手さんによる訳詞で。井手さんは、歌いながら立ち上がり歩き回り、体を揺らし~と愛くるしいことこの上なし。実は、水戸映画祭の会場であるこのACM劇場は、演劇用でありまして、その空間をいかした演出がこの歌唱には垣間みられました。あとで、これが、大いなる助走にすぎないことをわたしたちは知ることになるのですけれども……。
カバーのあとは、オリジナルに戻って、ビーサン『モノポリー』、井手さん『人間になりたい』『おてもやん』。わたしは、『おてもやん』をきくと静謐なる狂気とでもいいましょうか、いつも、ゆらゆら帝国を思い出します、なんとなく。釣りをする小舟のような風情の弾き語りで良し、まさに大海原に漕ぎいでんとするバンド(井手健介と母船)でも良しの圧倒的な存在感の大好きな曲。つかみ所がないようでいて、でも、わたしのハートは、初めて聞いたときからしっかりつかまれている不思議。水戸映画祭バージョンは、ブラックな空間と相まっておどろおどろしいエフェクトも絶好調、サイケデリックな風味の宇宙船といった趣かな? 『モノポリー』の後にも、トークがあり、普段はこんな立派なホールでやることはない、ライトにも照らされたりしない悲惨なアローンたち、3人でやるのはレアですよ。いや、そんなプレミアムなもんでもない、という謙遜の言葉などが交わされていました。
そろそろ、代表曲もたくさん聞けたし、終わりかしら~? と思いかけていましたが、実は、ここからが、ザッツ・エンターテイメントだったのです! あ~、やられたー!
『おてもやん』からつなげて、谷口さんによる軽快なピアノ(ベーゼンドルファーという鍵盤数が通常より多い豪華なグランドピアノを使用、端から端まで余すところ無く使っていただけました。谷口さんは、このピアノを弾くのは、人生2回目だと感激していました。実は、わたしは、その1回目も見ています)のメロディは、誰しもが耳にしたことのあるミュージカルの定番『アニー』の『トゥモロー』! なんと、ここから、怒涛のミュージカルメドレーが、始まりました。しかも、ノート(これは、歌詞が書いてあるカンペなのですが、この演出? が、まさに、舞台の稽古風景でも見ているような感じにさせてくれます)片手に、舞台を歩き回り、見つめ合って、スキップしながら。『オーバー・ザ・レインボウ』『雨に濡れても』『君の瞳に恋してる』『トゥモロー』さらには、作戦会議を挟んでアンコールで、『マイウェイ』。
はじめは、戸惑っていた様に見えたお客様たちも『雨に濡れても』あたりからは、手拍子、口笛、歓声で、援護射撃してくださり、3人もますますノリノリで、大盛あがりのうちに大団円を迎えることができました。
豪華13曲のフルボリューム。ただこういうことがやってみたかった。すみませんでした。とは、井手さんの弁。いえいえ、お忙しい中、誰しもが楽しめる趣向を凝らした、本当に、とんでもない(褒め言葉ですよ。一歩間違えると悪ふざけになってしまいそうなところを、彼らの圧倒的な歌唱力とパフォーマンスで、エンターテイメントとして、まとめ上げてくれました、ブラボー!)、まさに水戸映画祭のためのプレミアムなライブをありがとうございました! あー、楽しかった。
Kurosawa
セットリスト
『PARK MUSIC』
『Swallow』
『青い山賊』
『アローンアゲイン』
『モノポリー』
『人間になりたい』
『おてもやん』
『トゥモロー』
『オーバー・ザ・レインボウ』
『雨に濡れても』
『君の瞳に恋してる』
『トゥモロー』
ec
『マイウェイ』