Program D『ダゲレオタイプの女』|第32回水戸映画祭(2017)
9月17日(日)15:50~ 1,500円
Program D『ダゲレオタイプの女』
愛が幻影を見せ、愛が悲劇を呼ぶ。
2016年/フランス=ベルギー=日本/131分/PG12
監督・脚本:黒沢清
出演:タハール・ラヒム、コンスタンス・ルソー、オリヴィエ・グルメ、マチュー・アマルリック
黒沢清監督、初海外進出ホラー。生と死のマージナルな領域を描く『ダゲレオタイプの女』。
INTRODUCTION
ある日青年ジャンは、ダゲレオタイプという世界最古の撮影技法を用いる写真家ステファンの元を訪れた。長時間モデルを拘束して撮影を行うこの技法に、妻を亡くしたステファンは彼女の死を否認するかのように娘マリーをモデルに撮影を続けていた。ジャンはマリーに惹かれていくが、次第に彼を取り巻く世界は狂い出し、虚実の狭間を漂い、転落の道を辿る。生と死、現実と虚構といった境界を瓦解させ、我々の思考を揺さぶるホラー映画の傑作。
【アフタートーク】
上映終了後に黒沢清監督と精神科医をお招きして、精神疾患をキーワードにホラー映画についてのトークセッションを行います。
黒沢清[映画監督]
1955年7月19日生まれ、兵庫県出身。大学時代から8ミリ映画を撮り始め、『スウィートホーム』(88)で初めて一般商業映画を手掛ける。その後『CURE キュア』(97)で世界的な注目を集め、海外映画祭からの招待が相次ぐ。『ニンゲン合格』(98)、『大いなる幻影 Barren Illusion』(99)、『カリスマ』(99)と話題作が続き、『回路』(00)では第54回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。
以降も、第56回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された『アカルイミライ』(02)、『ドッペルゲンガー』(02)、『LOFT ロフト』(05)、第64回ヴェネチア国際映画祭に正式招待された『叫』(06)と国内外から高い評価を受ける。また、日本・オランダ・香港の合作映画『トウキョウソナタ』(08)では、第61回カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞と第3回アジア・フィルム・アワード作品賞を受賞。連続ドラマ「贖罪」(11/WOWOW)で、第69回ヴェネチア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門にテレビドラマとして異例の出品を果たしたほか、第37回トロント国際映画祭や第17回釜山国際映画祭など多くの国際映画祭でも上映された。その他、第8回ローマ映画祭最優秀監督賞を受賞した『Seventh Code セブンス・コード』(13)、第68回カンヌ国際映画祭ある視点部門監督賞と第33回川喜多賞を受賞した『岸辺の旅』(14)、第66回ベルリン国際映画祭に正式出品された『クリーピー 偽りの隣人』(16)などがある。
太刀川 弘和(精神科医 筑波大学医学医療系精神医学・准教授)