Cプログラム『典座ーTENZOー』

C プログラム:13:30~1,500円
『典座ーTENZOー』

信仰を失ってしまったわたしたち──今こそ問う、仏教とは? 信仰とは?

Dancing Films

2019年/日本/62分
監督:富田克也 脚本:相澤虎之助/富田克也
出演:河口智賢 近藤真弘 倉島隆行 青山俊董 ほか

本山での修行を終え、それぞれ福島、山梨の寺へ戻った兄弟 子の隆行(リュウギョウ)と弟弟子の智賢(チケン)。重度の食物アレルギーを抱える息子を持ち、自分なりに今の時代にあった仏教を模索している智賢と、津波で全てを失い、瓦礫撤去の作業員として、ひとり仮設住宅に住まいながら本堂再建を諦めきれずにいる隆行。二人の若き僧侶の苦悩を軸に、曹洞宗の『典座教訓』の教えを通して、現代日本における仏教の意義を紐解いていく。 独特の映画制作スタイルをもつ映像制作集団 空族。『サウダーヂ』(11)、『バンコクナイツ』(16)に続く最新作は、仏教とそれを取 り巻く3.11以後の日本のすがた。全国曹洞宗青年会とタッグを組み、第72回カンヌ国際映画祭の批評家週間「特別招待部門」に選出された本作について、富田克也監督と脚本の相澤虎之助氏をお迎えしてお話もうかがいます。作品はすべて未ソフト化の空族作品を体験する貴重な機会、どうぞお見逃しなく!

ゲスト

富田克也[映画監督]
1972 年、山梨県生まれ。脚本家・映画監督の相澤虎之助らとともに映 像制作集団・空族(くぞく)を率い、「作りたい映画を勝手に作り、勝 手に上映する」をモットーに活動。舞台となる土地で実際に生活を営 む人たちへ取材を綿密に行い、非職業俳優を積極的にキャスティング することで、ストリートのリアリティをフィクションに差し込む。 2003 年に中上健次、柳町光男に多大な影響を受け制作に4年を費やし た処女長編『雲の上』、2007 年に地方都市のロードサイドに生きる荒 んだ若者を描いた『国道 20 号線』を発表。続いて、寂れゆく日本経済 を背景に、肉体労働者、移民、そしてヒップホップをテーマに制作し た『サウダーヂ』(2011)ではナント三大陸映画祭グランプリ、高崎映 画祭最優秀作品賞、毎日映画コンクール優秀作品賞&監督賞をW受賞 など数々の賞に輝いた。その後、タイおよびラオスにて長期滞在制作 を行った『バンコクナイツ』(2016)は、20 世紀のインドシナ半島で の戦争の傷跡をトレースしつつ、複層的な物語構成によって、東南ア ジアから現代日本を逆照射した。本作は、ロカルノ国際映画祭など世界中の約 30 の海外映画祭に招待。国内では、第 72 回「毎日映画コンクール」にて監督賞、音楽賞をW受賞。そ の年の「キネマ旬報ベスト 10」では 6 位に選出された。そして最新作となる『典座 -TENZO-』が、2019 年度のカンヌ国際映画祭 批評家週間「特別招待部門」に選出 された。

相澤虎之助[映画監督・脚本家]
1974年埼玉県生まれ。早稲田大学シネマ研究会を経て空族に参加。監督作、『花物語バビロン』(’97) が山形国際ドキュメンタリー映画祭にて上映。『かたびら街』(’03)は富田監督作品『雲の上』と共に7ヶ月間にわたり公開。空族結成以来、『国道20号線』(’07)、『サウダーヂ』(’11) 『チェンライの娘』(’12)と、富田監督作品の共同脚本を務めている。自身監督最新作はライフワークである東南アジア三部作の第2弾、『バビロン2 THE OZAWA』(’12)。


2021年09月04日 | Posted in 第36回水戸映画祭[2021] | | Comments Closed